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わたし と さめ の あいだ

吉田 ゆう

初日は18時開廊
最終日は18時まで
1.15 sat 19:00- オープニングトーク

わたし と さめ の あいだ – Between the shark and me –

サメと出会い15年ぐらいになる。

今になって振り返ると、初めて出会った時私は、サメという表象を見ていた。その後、生物としてのサメを 知るために直接対面する事となる。私にとって、本当に初めてサメそのものと直面した時だった。

私がサメと対峙することを始めた当初、先ずはサメがどのような構造をしてどのような習性があるのか、 どんな生物なのか知る必要があった。胃内容物を確認して彼らの生息する環境がどんな所なのか話を 聞いたり、時には仕組みを知るために顎を切り出す事もした。 サメと対峙していく中で切っても切れないことがある。それは人とサメの関係性だ。

私たちが長い間生きてきた歴史の中で、蓄積してきた記憶というものがある。その記憶の中で、サメは 少し特殊な存在として位置しているようだ。良くも悪くも、私たち人と、サメとの関係は本来意外と奥が深 い。サメが人を利用する事はないが、人は利害関係を持ち、共存してきた。特に四方を海に囲まれてい る日本では昔からサメという生き物は身近な存在であった。 しかしいつしか、サメの存在が私たちの中で変化していったことが、人々の言動によって推論する事が できる。その変化によって、様々な文脈を辿っても長いこと拭いきれない違和感を感じていた。「サメ」と 聞いて多くの人が「恐怖」という感情に直結する。言葉、音を聞くだけで「怖い」と口走る、そんな場面が 人々の間で良く起こることを目撃してきた。その様な場面から見て取れるように、私たちの中にあるサメ は表象でしかない、ということに気付かされた。

私はサメと対峙してきた中で、人が持つ表象と、本質の差異を追い続けてきた。そのためにもサメ自身 を良く知る必要があり、常にサメそのものを見て来たつもりでいた。表象と本質を見比べる作業をしてき たはずだった。しかしここに来て、私自身も表象に囚われ本質を見失いサメと対峙しきれていないとこに 気がつく。 そこで今回もう一度、サメと対峙し直すために、サメそのものと対面することから始めた。 この展覧会では、「サメと対面した事実」から始まり5段階の構成で成り立っている。

「サメと対面した事実」→「日常にあるサメの風景」→「表象と本質との闘い」→ 「実物大のサメと横たわ る事実との対面」→「これからの関係性について、私たちの立場。」

と、私が15年の間に見つめてきたサメを通して、表象と本質について現実に希望を込め、サメと対峙し 疑問に感じてきたことを作品化することにした。

人はサメに限らず、物事を区分けする際に、表象として描き起こすことを日常的に行なっているのではな いかと思う。認識は自動的にカテゴライズされる段階で、無意識に本質だと思っていたことが表象へとす り変わり、いつしか本質と思っていたことが表象となる。そもそも私たちが見ているものに本質は存在す るのだろうか。 本作品は、現代の日常とかけ離れたサメという存在を通して、具体的には私とサメの関係性の変化を追 体験する事で、表象と本質との差異とは何か具体化する試みである。

※作品で取り扱っている鮫は、意図して釣り上げたものではない為、死んでいる個体を使用している。
(吉田ゆう)
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