R0019024

2010-04-29 〜 2010-05-16

内なる場所

東条 香澄

私は、自分が鮮やかだと感じる色彩と、心地の良い湿度を持った絵画空間を版を介した表現方法を使用し形作りたいと思っています。現在まで、個人的な記憶や日常感じている私情から、「場所」や「空間」をテーマに作品を制作・展開してきました。心地の良い場所、自分だけの秘密の場所など、閉塞的ではあるがある種の至福感が漂う空間、日常生活から少しだけ切り離してくれる様な空間が絵画の中にも存在していると感じたからです。こうした空間感を、版画制作時に体感する黒の色彩の奥深さや新鮮さを基に、リトグラフや銅版画技法を使用した作品を中心に制作したいと考えます。版画は、版を手間暇かけて制作し、高い圧力をかけて紙などに刷ります。この時の刷り上がる瞬間が、私にとって時間や素材や様々な物が圧縮された、とても大切な時間であり、上記の絵画空間を創作する重要なメソッドとなっています。版を介す瞬間、様々な想いから切り離され、画面の空間に溶け込むことが可能な、自身の絵画空間に繋がっていくのです。 東条香澄

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